建物賃貸借契約の終了時における借主のなすべき義務の一つで、契約期間の満了に伴う借主からの解約の申入れ等により、建物賃貸借契約が終了した時、建物賃貸借契約は将来に向かって消滅する(民法第620条)が、借主は当該建物を賃貸借契約の開始時の状態に戻す義務を負う。(民法第545条・第546条)
この借主の義務を原状回復義務と呼んでいる。
この原状回復義務については、借主がどこまで建物を原状に戻す義務を負うかに関してはさまざまな見解がある。
過去の裁判例では、通常の用法に従って使用していたにもかかわらず発生してしまった汚損や破損については、契約において特約がない場合には、借主は原状回復義務を負わないと解釈する傾向にある。